プラスチックの進化を支える「高分子添加剤」【有望市場サクッとダイジェスト】

2026/07/16

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「有望市場サクッとダイジェスト」では、Chematelsの編集チーム「シーエムシー出版」の編集担当者が、注目分野の市場動向について伝える新刊書籍の出版タイミングに合わせ、その分野のポイントをChematelsの記事としてお届けしています。今回は「高分子添加剤」に注目します。プラスチック製品が日常生活のあらゆる場面で使われるうえで、劣化を防ぐ、性能や耐久性を向上させる添加剤の存在は欠かせないものとなっています。

プラスチックの可能性を広げる「高分子添加剤」の分類

プラスチックは、部品の軽量化や電子機器の高性能化が進む中で重要性を増していますが、プラスチックそのものは、本来熱や光に対して十分安定とはいえず、劣化や物性の低下の対策が求められます。これに対して、プラスチックの構造を見直すよりも、目的に見合った添加剤を配合することで改善が期待できる場合があります。

高分子添加剤は用途によって多様に分類されますが、大きくは「安定剤」と「機能付与剤」に分けられます。

「安定剤」はプラスチック材料が本来持つ物性や色調などを維持するために用いられ、熱・光による劣化や変色を防ぎ、寿命を延ばすために不可欠です。

また、「機能付与剤」は難燃性や帯電防止のようなプラスチック材料には備わっていない機能を付与することで商品価値の向上に貢献しています。

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図1 高分子添加剤の分類

これら多種多様な添加剤が目的ごとに最適にブレンドされることで、高性能なプラスチック製品が生み出されています。

循環型社会と高分子添加剤

プラスチックのリサイクル技術の進展やバイオプラスチックの開発などの取り組みが進む中で、材料性能の維持や向上は避けては通れない課題です。

回収されたプラスチックは、使用されていた際の熱や紫外線などの影響を受けて劣化が進み、再利用時の品質や加工性に影響を及ぼす場合があります。こうした課題に対して、適切な添加剤を配合することにより劣化を抑えることができ、再生材の加工安定性や機械的特性の低下抑制につながります。

高分子添加剤は、プラスチックの高性能化と資源循環の両立を支える基盤技術として、今後さらに市場の重要性を増していくと見られます。

環境規制強化が促す添加剤の高機能化・環境対応

欧州のRoHS指令やREACH規則に代表される規制への対応も避けては通れません。

例えば、ハロゲン系難燃剤はコストと性能のバランスが良い一方で、一部の臭素系難燃剤に対する規制強化や環境配慮への要求を背景に、ノンハロゲン難燃剤への移行が進んでいます。「ノンハロゲン化」のトレンドに伴い、一般に発煙量や有害ガスの発生が比較的少ないとされる金属水酸化物系難燃剤(水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム)や、燃焼時に形成される炭化被膜が膨張してガス遮断効果と断熱効果を発現するイントメッセント系難燃剤が注目されています。

このほか、安定剤など他の添加剤についても低毒性・環境配慮型への移行も進んでおり、添加剤選定の基準は性能だけでなく「環境適合性」も重視されています。

書籍『高分子添加剤の技術と市場2026』を刊行

『高分子添加剤の技術と市場2026』は、「技術編」と「市場編」の2部構成で、高分子添加剤に関する技術動向と市場動向を体系的に把握できる一冊です。

「技術編」では第一線の専門家による各種添加剤の開発事例や特性評価を、「市場編」では各添加剤の需要、主要メーカーの動向といった市場データまでを網羅しています。技術的な課題解決と市場動向の見極めを同時に叶える、実務に直結する一冊となっています。

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図2 『高分子添加剤の技術と市場2026』2026年6月10日発行

『高分子添加剤の技術と市場2026』は、2026年6月10日に刊行されました。詳しくは、こちらの案内をチェックしてください。

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山中壱朗(やまなか かずあき)

シーエムシー出版大阪支店所属。月刊誌『機能材料』と新材料・新素材に関わる書籍の企画、編集を担当。『機能材料』では化学、エレクトロニクス、環境など様々な領域の関連材料・技術を紹介してきた。


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