競合メーカー100社以上! 樹脂コンパウンドの機能性は向上の一途【有望市場サクッとダイジェスト】

2026/03/17

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「有望市場サクッとダイジェスト」では、Chematelsの編集チーム「シーエムシー出版」の編集担当者が、注目分野の市場動向について伝える新刊書籍の出版タイミングに合わせ、その分野のポイントをChematelsの記事としてお届けしています。今回は「樹脂コンパウンド」に光を当てます。レジンとも呼ばれる樹脂を材料として使えるようにするにはベースとなる樹脂とカラーリングの顔料、添加剤、フィラーなどの「混錬」つまり「コンパウンド」が必要です。樹脂コンパウンドの市場では、樹脂メーカーおよびコンパウンド専業メーカーそれぞれに技術面や製造開発面の進歩が見られ、樹脂コンパウンドの機能性が向上しています。

樹脂の大半は添加剤や強化剤を混錬させたもの

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図1:樹脂コンパウンド。樹脂に青色または灰色の顔料が混錬されている

樹脂コンパウンドとは、原料樹脂と添加剤や強化材を混錬した材料です。熱可塑性樹脂か熱硬化性樹脂かに関わらず樹脂の大半は、カラーリングもしくは性能向上のため顔料・難燃剤・帯電防止剤・可塑剤・光安定剤・光重合開始剤などの各種添加剤が配合されたものです(図2上)。また、耐熱性向上や剛性・靭性向上を目的として炭素繊維やセルロースナノファイバーなどを加えた繊維強化コンパウンドも樹脂コンパウンドの一つとして製造されています(図2下)。

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図2:樹脂と添加剤・強化材の混錬で樹脂コンパウンドに。強化材を加えた樹脂コンパウンドは繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)とも

また、複数の樹脂を溶融・混錬したポリマーブレンドやポリマーアロイと呼ばれる樹脂もコンパウンドの一つです。例として、図3にアクリロニトリル(Acrylonitrile)・ブタジエン(Butadiene)・スチレン(Styrene)の各樹脂を共重合させたABS樹脂を掲げます。家電の筐体や自動車部品、3Dプリンタの材料として使われています。

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図3:複数の樹脂を溶融・混錬したコンパウンドの例。ポリマーアロイとしてのABS樹脂

図4にコンパウンドの分類をまとめました。

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図4:樹脂コンパウンドの分類

メーカーの製品開発力が向上…複数の機能を付与した樹脂コンパウンドも

コンパウンド業界の担い手は、レジンメーカーとも呼ばれる樹脂メーカーと、コンパウンド専業メーカーとに大別されます。

レジンメーカーのコンパウンド対応は、環境配慮・高機能化・共同開発を軸に大きく進歩しています。例えば、再生材入り軟質ポリ塩化ビニルコンパウンドは、塩化ビニル(PVC:Polyvinyl chloride)に再生原料を混ぜたものであり、環境負荷を軽減し、持続可能性に寄与する素材として再評価されています。また、国際的な環境規制の強化に対応するため、撥水性・撥油性・防汚性・傷防止など、複数の機能を同時に付与した樹脂コンパウンドが上市されています。

一方、コンパウンド専業メーカーについては、系列色が強く、樹脂メーカーの子会社が多かったのですが、系列メーカーからの委託加工だけでなく独自の製品開発も進んでいます。また、地域の専業メーカーは、迅速な対応やニッチな配合、顧客密着型サービスで差別化を図っています。

書籍『機能性樹脂コンパウンドの市場動向2026』を刊行

新刊『機能性樹脂コンパウンドの市場動向2026』は、レジンメーカー、コンパウンドメーカーの生産・事業展開、コンパウンドのコスト分析、市場動向などをまとめた専門書です。

本書の構成は以下の通りになります。

第1章「コンパウンド業界の構造と最新動向」では、レジンメーカー33社のコンパウンド事業展開と、専業コンパウンドメーカー74社の事業展開を網羅的にまとめました。

第2章「コンパウンド事業の経済性」では、ABSやポリプロピレン(PP:Polypropylene)コンパウンドのコスト推移と押出機メーカー50社の動向を記しました。

第3章「汎用樹脂、エンジアリング樹脂、熱可塑性エラストマー市場とコンパウンド動向」では、汎用樹脂市場とエンジニアリング樹脂市場のコンパウンド動向をまとめました。

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図5:『機能性樹脂コンパウンドの市場2026』2026年2月4日発行

2013年、『機能性樹脂コンパウンドの経済性分析と市場』(奥野秀秋著)を発行しました。奥野氏は国内およびアジア地域に自ら出向き、プラスチックの調査を行うとともに情報ネットワークを築き、その調査のクオリティは多くの読者に好評を博しました。奥野氏の逝去後もシーエムシー出版は本書の枠組みを継承しつつ最新のデータを加えて『機能性樹脂コンパウンドの市場2018』および、このたびの『機能性樹脂コンパウンドの市場2026』を発行しています。コンパウンドのコスト試算、レジンメーカーのコンパウンド展開、専業コンパウンドメーカーの事業展開などの項目はそのまま生かされ、本シリーズの特長となっています。プラスチックに携わる方々にお勧めします。

『機能性樹脂コンパウンドの市場動向2026』は、2026年2月4日発行です。詳しくは、こちらの案内をチェックしてみてください。

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吉倉 広志(よしくら ひろし)

シーエムシー出版東京編集部。『内外化学品資料』および単行本を担当。雑誌からの書籍展開が多く、バイオテクノロジーや食品、石油化学、ファインケミカル分野の書籍化を数多く担当しています。タイトルは過去からお世話になった研究者・開発者の方々を中心に農薬、酵素、ポリウレタン、石化プラント、魚肉タンパク質などです。

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