【DXのキモとツボ】をお届けする連載がスタートします!
2021/12/01
Chematelsはこのたび、企業の「デジタルトランスフォーメーション」(DX)について、読者のみなさんとともに理解を深めていくための連載企画「変革企業に学ぶDXのキモ」と「厳選本から読み解くDXのツボ」を始めます。
広がる「デジタル技術」による「変革」の波
DXはもともと2004年、エリック・ストルターマンというスウェーデンの情報学者が「情報技術とよき生活」という論文で唱えたことから広まっていった概念とされます。その論文でスタートルマンは、DXを「デジタル技術が引き起こしたり影響をあたえたりする、人間生活すべての面での変革」と表していました。
その後、DXは、おもに企業活動におけるキーワードとして広まっていきました。企業を主語にしたDXの定義としては、たとえば次のものがあります。
「(企業が)データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(経済産業省「『DX 推進指標」とそのガイダンス」)
多くの企業では、データやデジタル技術を活用して業務などを変革することへの意識、つまりDXへの意識が、前よりも高まっていることでしょう。
「取組んでいない」「成果が出ない」という日本企業の課題
しかし、実際の取り組みは「これから」という企業もまだ多いようです。
情報処理推進機構(IPA)が2021年10月に出した『DX白書2021』によると、調査した日本企業534社のうち、DXに「取組んでいない」と答えたのは33.9パーセントで、米国企業(対象369社)での同14.1パーセントを大きく上まわりました。「取組んでいない」と答えた日本企業の半分は、取り組み時期について「2024年までに」と答えています。
「うちも近いうちにDXに取り組まねば」と意識している日本企業の姿がうかがえます。

図1 DXの取り組み状況。調査対象数は日本企業534社、米国企業369社
(出所:情報処理推進機構『DX白書2021』をもとに編集部作成)
一方、すでにDXに取り組んでいる企業でも、まだ成果を実感できていないところがかなりあるようです。
白書では、「DXに取り組んでいる」と答えた日本企業のうち、「成果が出ている」と答えたのは半分未満の49.5パーセント。過半数の50.5パーセントは「成果が出ていない」(22.6パーセント)または「分からない」(27.9パーセント)のどちらかでした。なお、米国企業で「成果が出ている」は、90.1パーセントに達しています。
「DXに取り組んではいるけれど、これでよいのだろうか」と暗中模索している日本企業の姿もうかがえます。

図2 DXの取り組み成果。対象は図1で「全社戦略に基づき、一部の部門においてDXに取組んでいる」「部署ごとに個別でDXに取組んでいる」と回答した企業
(出所:情報処理推進機構『DX白書2021』をもとに編集部作成)
DXをめぐるこうしたいまの状況を踏まえ、Chematelsは、企業でDXの課題をもっている読者のみなさんや、DXに興味を抱いている読者のみなさんに向け、「DXのキモとツボ」を示していきます。
第1弾「変革企業に学ぶDXのキモ」をお届け
DXで大きな成果を出したり高い評価を受けたりしている企業に取材し、DXを進めていくうえでのキモ(勘所)を伝えていきます。次の5社に取材し、DXをどう進めてきたかや、なにが大切なのかを担当者から聞き、みなさんに伝える予定です。
連載の目次
- 第1回:AGC
- 第2回:豊田自動織機
- 第3回:SGホールディングス
- 第4回:トラスコ中山
- 第5回:PRISM BioLab
あなたのDX体験にぜひお役立てください。2021年12月に連載開始予定です。
第2弾「厳選本から読み解くDXのツボ」をお届け
「厳選本から読み解くDXのツボ」は、話題の本をもとにDXの核心から落とし穴までを読み解き、「これだけは」というDXのツボ(急所)をお伝えします。次の6冊を紹介する予定です。
連載の目次
- 第1回:DXの教養 ―デジタル時代に求められる実践的知識―
- 第2回:イラスト&図解でわかるDX
- 第3回:なぜ、DXは失敗するのか? ―「破壊的な変革」を成功に導く5段階モデル―
- 第4回:中国デジタル・イノベーション ―ネット飽和時代の競争地図―
- 第5回:アフターデジタル ―オフラインのない時代に生き残る―
- 第6回:アフターデジタル2 ―UXと自由―
興味をもったあなたは本に手が伸び、時間のないあなたは読んだ気になれるでしょう。2022年1月に連載開始予定です。
Chematelsは、みなさんにとってのDXを情報で応援します。「変革企業に学ぶDXのキモ」と「厳選本から読み解くDXのツボ」の開始を、ぜひ楽しみにお待ちください。
漆原 次郎(うるしはら じろう)
フリーランス記者・編集者、Chematels副編集長 神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌、経済誌、ウェブニュースなどに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)修了。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
