【化学業界の基礎知識 -契約書類編-】第7回 納品と支払の間の重要な確認作業 ― 検収とは?

2021/05/27

執筆:SCE・Net 鹿子島 達志

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Point

「納入された品物が、発注通りの品質条件・数量・仕様になっていると検査した上で、その品物を受け取ること」を検収といいます。文字通り、「検査して、収める」という意味です。

どのような手順を踏む?

まず、取引全体の流れの中で検収がどこにあるかを示します。

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図1 取引全体の流れと検収

検収では、納入された品物について、破損などの不備がないかを確認するほか、品物が機器であれば動作確認も行います。そして、一般的に、発注側が「注文書(発注書)」や「納品書」といった書類の内容と照合し、問題がなければ受注側へ「検収書」を発行します。受注側は、それを受けて正規に「請求書」にて支払いの請求ができることになります。

なにをもって検収となる?

政府との間での契約の原則を定めた「支払い防止等に関する法律の運用方針」では、「給付の完了の確認又は検査」を「検収」と規定しています。これをもって所有権および管理責任が移転することになります。

また「検収日」は、納品書などの提出日から工事の場合は14日以内、その他の場合は10日以内と規定しています。

「検収書」とはどういったもの?

発注側が、前記の「検収」の定義通りに検収を行った上で、検収したことを正式に証明する書類です。似た書類に「受領書」がありますが、受領書のほうは「商品を受取りました」ということを単に示す書類にすぎません。

受注側からすれば、検収書を受け取ることにより、正式に了解を得たとして「請求書」を発行できます。

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「受入検査」というのも聞くけれど、どんな作業?

物品を受け入れる段階で、受け入れの可否を判断するため一定の基準のもとで行う検査を指します。受注側からすれば、この検査に合格することが検収してもらうための前提条件となります。発注仕様書に記載された納入物がすべて納入された、もしくは完成した時点で実施されます。この検査には、書類のみによる間接検査(証拠検査)と、実際の動作確認による直接検査(機能検査)とがあります。

「検査基準書」はどういった役割の書類?

納品された物品が契約に規定される品質・仕様を満たしているかを検査する際の基準を記した書類です。ここで定めた基準をもとに検査が行われるため、検査基準書は重要な書類といえます。

なお、経済産業省は、『化学産業適正取引ガイドライン』において、発注事業者と受注事業者の認識の相違により受領拒否・返品・やり直しが起きることも多いため、基本契約締結時、あるいは発注時に、製品の仕様と検収基準(検査・分析方法など)を明確にし、文書化しておくことが重要であると指導しています。

Message

納品と支払の間の重要な作業!

納品物が発注通りの品質条件などになっていることを確認するという点、また、これをもって支払手続きに進むという点で、検収は重要な作業といえます。検収の定義や検収日の規定などを知識として得ておくことは、取引の円滑さにもつながります。

第8回のテーマは、「公差」の予定です。

鹿子島 達志(Tatsushi Kagoshima)/ SCE・Net

1949年生まれ。九州大学工学部卒。鐘淵化学工業(株)(現カネカ)他2社を経験。生産技術や調達部門にて多くの大型海外工場建設の責任者として従事。マレーシアにエンジ会社のMD(社長)として2年間駐在。化学工学会のコストエンジニアリング部会員で活動、SCE・Net会員。現在、生産技術コンサル業のイーグレテック代表。

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