【化学業界の基礎知識 -契約書類編-】第3回 簡潔だけれどこれも契約書 ― 注文書とは?
2021/04/22
Point
注文書とは、注文者が取引先に注文を依頼するための書類です。取引における契約書の一つですが、基本契約書を結んだ相手と交わす場合が多いため、注文内容や必要事項を簡潔に記すのが一般的です。
注文書にはどんなことが記される?
注文者が取引先に、注文を依頼する際につくる書類で、取引における契約書の一つです。商品名称や仕様、数量、単価などの注文する事柄と、納期や支払い方法などの発注後に必要となる事柄が記載されます。
すでに基本契約書を結んだ相手と注文書を交わす場合が多いため、ビジネス書類としては簡潔に書かれている場合が多く、その時の取引内容だけを記した書類になるのが一般的です。
「発注書」は「注文書」とどう違う?
どちらも形式は同じですが、厳密にいうと、「注文書」は完成された製品を注文する場合の書類であるのに対し、「発注書」はまだ製品として完成していない未加工品から完成品を作って納入してもらう場合の書類です。
「注文請書」も聞くけれど、どんな書類?
注文請書(ちゅうもんうけしょ)は、注文を受けた側の受注者が、注文を受けたことを確認するために書かれる書類です。取引においては、注文書と注文請書の両方を取り交わすことで契約が成立します。

印紙を貼る必要はある?
注文請書には印紙の貼付が必要です。注文請書が最終的な契約書となるからです。ただし、注文書だけで取引を成立させようとする場合は、注文書に印紙を貼り契約を成立させることも可能です。
電子契約、もしくは契約金額が税抜きで1万円以下であれば、印紙の貼付は不要です。
注文書にはなにを記載すべき?
注文書の、基本的な記載事項は次の通りです。
- 注文先の宛名
社名は省略せず正確に記す。
- 注文書の発行日
これは必須事項。
- 発注元の氏名など
社名、氏名、住所、電話番号、メールアドレスを記す。
- 合計金額
税込み価格を書くのが一般的。
- 名称・仕様
発注する商品名、仕様、数量、単価、納期などを記す。
- 備考
備考欄を設けて、取引上での解釈の違いが生じないための注意書きを書くことができる。
注文書の保管期間は?
法人税法上の帳簿書類として扱われるため、確定申告の提出期限から7年間は保管する必要があります。
原則として紙書類として保管します。電子契約であっても、紙に印刷して保管します。
Message
記載事項は比較的、簡潔ですが、注文書も契約書の一つです。注文に不可欠な事項を正確に記載し、使用後もきちんと保管しましょう。
第4回のテーマは、「納入仕様書」の予定です。
猪股 勲(Isao Inomata)/ SCE・Net
東京大学工業化学修士課程修了。三菱ケミカル(株)で、石油化学関連の技術開発・事業開発、企画業務に従事。その後、日本バイオプラスチック協会に奉職。石油化学全般、バイオプラスチック、プラスチック廃棄物管理、気候変動などの環境問題に広く精通。2015年よりSCE・Net所属。ITIコンサルタント事務所チーフコンサルタント。
