【化学業界の基礎知識 -契約書類編-】第5回 品質を証明する管理書類 ― 試験成績書・検査成績書とは?

2021/05/13

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Point

試験成績書・検査成績書は、製品の品質を証明する品質管理書類です。出来上がった製品の品質が要求される各種の規格に合致したものであることを証明するための重要な書類です。

試験成績書・検査成績書はなんのための書類?

納品された製品が、依頼通りの品質、寸法、仕上りなどとなっており、また日本工業規格(JIS:Japanese Industrial Standard)や自社規格などの要請規格に合致し、注文ロットなどの要求にも間違いがないことなどを確認することができます。各種の測定機器を使用して検査したデータが記載されます。

なお、化学製品関係では、製品分析表が一般的な試験成績書となります。

どのタイミングで添付される?

注文製品の納品時に常にかならず添付されているとは限りません。製品により、また会社により、対応はまちまちです。見積もり時や注文時に、納品物に添付することを義務付けておくことや、検査項目・仕様・料金発生の有無などを確認しておくことが必要です。

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ミルシートという書類も目にするけれど、同じもの?

ミルシートは、試験成績表・検査成績書とは別のものです。試験成績表・検査成績書は出来上がった製品の品質に関する書類ですが、ミルシートは製品に使われている材料や素材についての証明書です。厳密には、ミルシートは材料証明書の中の鋼材・鉄鋼材料分野における材料証明書のことを指します。

機械・部品などの化工製品は、「素材 → 加工 → 製品」という流れで完成します。その中で、完成前段階の材料である鋼材・鉄鋼などの品質を証明するのがミルシートであり、完成後段階の製品の品質を証明するのが試験成績表・検査成績書です。

材料や素材の品質を保証するものなので、通常、ミルシートも試験成績表・検査成績表と同様、工場で製品製造後に発行されます。

試験成績表・検査成績書に記される項目はどんなもの?

検査項目・検査成績・規定値・密度・外観のほか、検査実施日などが記載されます。

製品に求められる要件に対して、どのような項目で検査を行ったかを伝達するとともに、検査を行った結果が規定値・仕様などの規格内に収まっていることを証明します。

Message

製品自体だけでなく書類でも品質を伝える

製品やその材料についての品質が保たれていることを伝えることは、納入側にとって信頼をあたえることになりますし、購入側にとっては安心することになります。「品質を記しておく」という点で、試験成績書・検査成績書やミルシートは重要な書類といえます。

第6回のテーマは、「ロット」の予定です。

猪股 勲(Isao Inomata)/ SCE・Net

東京大学工業化学修士課程修了。三菱ケミカル(株)で、石油化学関連の技術開発・事業開発、企画業務に従事。その後、日本バイオプラスチック協会に奉職。石油化学全般、バイオプラスチック、プラスチック廃棄物管理、気候変動などの環境問題に広く精通。2015年よりSCE・Net所属。ITIコンサルタント事務所チーフコンサルタント。

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