【化学業界の基礎知識 -契約書類編-】連載がスタートします!

2021/04/01

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執筆:SCE・Net 猪股 勲

Chematelsでは、このたび連載「化学業界の基礎知識」がスタートします。化学業界に入って間もない方や、興味を抱いている方、業務スキルをさらに高めたい方に向け、役に立つ基礎的な知識・情報をお届けする企画です。

次回からの「契約書類編」全10回では、事業や取引で重要となる契約書などの業務関係書類に焦点を絞り、それぞれの書類や用語の意味、また準備や手続きにあたってのポイントなどをわかりやすく伝えていきます。

連載スタートに先立ち、今回は、これから取り上げていく業務関係書類のあらましなどを紹介します。

商取引に業務関係書類は不可欠

会社でも個人でも、事業や取引を進める中で必要となる業務関係書類があります。サービス提供から収益確定までの各段階で、書類を用意する場面が出てきます。

それぞれの書類の作成理由、取引上、どんな時に何の書類が必要なのかを理解することは重要です。まず、商取引の流れを確認し、それぞれの場面で、必要な書類を確認してみましょう。太字はこれからの連載で解説する予定の書類名や用語です。

 買い手(顧客)双方売り手(供給者)
取引開始前 秘密保持契約書 
  取引基本契約書 
取引開始後 取引開始 
 注文書 
  注文請書(個別契約書)
  個別取引契約成立 
  納入仕様書
  試験報告書
  ロット
  検収
  公差
  4M変更管理
 受領書 
  受け渡し完了 
  請求書
 決済・支払い 
  取引終了 

図 一般的な取引の流れと必要な業務関係書類

図の流れに沿って説明していきます。

取引開始前の業務にも書類あり

まず、取引開始前の業務のために必要な書類は主に二つ。取引の際に開示しなくてはならない情報について、相互に、正しく秘密保持し、悪用しない約束を確保する「秘密保持契約書」と、取引の基本的枠組みを定め、取引の円滑な運営を可能にする「取引基本契約書」です。

取引中の業務を各種書類で円滑に

取引中の業務に向けては次のような書類を用意し、使用します。

商品内容の諸条件について売手・買手の双方があらかじめ合意して作成する「納入仕様書」に基づき、買手の取引先から「注文書」(発注書)が発行されます。

取引先から注文書を受けた売手は、その注文を間違いなく受けたという意思表示をする「注文請書」を作成し、発行します。これで、取引契約の成立となります。注文請書ではなく、「個別契約書」を結ぶ場合もあります。

受け渡し完了後まで滞りなく

取引契約成立後は、商品を納入する段階に移ります。商品納入の際に、同時にその商品の内容を記録した「納品書」、または「試験成績(報告)書」を渡します。納入を受けた相手先は、間違いなく納品されたことを証明する「受領書」(納品受領書)に押印・サインをして返します。これで受け渡し完了となります。

受け渡し完了後は取引相手先から、お金をもらうための「請求書」を発行します。相手先が、決済をし、支払いを済ませれば、取引の終了です。

書類に出てくる用語の理解も重要

事業形態や取引上の取り決め・制約条件、または取引先との関係性などによっては書類の一部を省略したり、逆に、異なる書類を用意したりする必要も出てきます。おおよそは、上記が取引上の書類の基本となります。

納入仕様書、注文書、納品書、試験成績(報告)書などにおいて、買手・売手の双方が、製品を特定し、共通認識を持つことで業務は円滑になります。そのため、それぞれ製品の生産・出荷単位、検査・管理の方法・手法を表現する際の「ロット」「検収」「公差」「4M変更管理」といった用語も理解することが重要となります。

次回以降は、これらの書類や用語を詳しく説明していきます。事業管理では、書類による手続きや管理が必要不可欠ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 

次回からいよいよ連載スタート。第1回のテーマは、「秘密保持契約書」の予定です。

 

猪股 勲(Isao Inomata)/ SCE・Net

東京大学工業化学修士課程修了。三菱ケミカル(株)で、石油化学関連の技術開発・事業開発、企画業務に従事。その後、日本バイオプラスチック協会に奉職。石油化学全般、バイオプラスチック、プラスチック廃棄物管理、気候変動などの環境問題に広く精通。2015年よりSCE・Net所属。ITIコンサルタント事務所チーフコンサルタント。

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