生分解性とバイオマス由来、生産能力は大幅増加へ ― バイオプラスチック【押さえておきたい!バイオプラ用語 第1回】

2025/09/04
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Chematelsの新連載「押さえておきたい!バイオプラ用語」をお届けします。環境対策や脱炭素ビジネスで注目されるバイオプラスチックの動向を理解するのに大切となる「用語」を解説します。通常のプラスチックとの性質・素性などの違いを識別する認証制度が複数あり、それぞれがバイオプラスチックの有用性や意義を理解するための基礎にもなっています。各認証制度の概要や関連事項の説明を中心に、バイオプラスチックの現状と今後の見通しについて述べていきます。皆さんの理解が深まればと思います。第1回の用語は「バイオプラスチック」です。

目次

本連載で扱う項目

  • 本連載で扱う用語
  • 第1回 バイオプラスチック
  • 第2回 認証制度
  • 第3回 生分解性プラスチック認証
  • 第4回 バイオマス由来プラスチック認証
  • 第5回 ISCC認証
  • 第6回 マスバランス方式
  • 第7回 サーキュラーエコノミー
  • 第8回 グリーンマテリアル、グリーンケミカルズ

生分解性プラスチックとバイオマス由来プラスチック

「バイオプラスチック」は、生分解性プラスチック(Biodegradable Plastic)とバイオマス由来プラスチック(Biobased Plastic)の総称です。

生分解性プラスチックとは、自然環境に廃棄したとき、土中や水中の微生物により分解されるプラスチックを指します。バイオマス由来プラスチックとは、資源利用される生物体であるバイオマスから作られたプラスチックを指します。

図1として、日本バイオプラスチック協会による、生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの分類を示します。

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図1:生分解性プラスチックとバイオマスプラスチック。青点線枠内が生分解性。緑点線枠内がバイオマス由来またはバイオマス由来+石油由来。点線枠外はどちらにも該当しないプラスチック
⁠(出所:日本バイオプラスチック協会ウェブサイト「バイオマスプラスチック入門」を参考に作成)

現在の生産能力は小さいながら今後大幅拡大の予測も

欧州バイオプラスチック協会(EUBP:European Bioplastics)によると、2024年のバイオプラスチック生産量は144万トンで、生産能力は246万9000万トンと推定されます。生産量はプラスチック全体4億1000万トンの0.5%未満でしかありませんが、循環型社会を目指す世界的気運のなか、プラスチック廃棄や気候温暖化の対策の一つとして、バイオプラスチックの必要性が注目されています。

図2にあるように、EUBPは今後バイオプラスチックの生産能力が大幅に増加し、2029年には572万6000トンに達すると予測しています。バイオプラスチックの広まりに期待が持たれている状況といえます。

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図2:バイオプラスチック世界生産能力の推移予測。いずれの年も推定
⁠(出所:EUBP Global Production capacities of bioplastics 2024-2029 を参考に作成)

バイオプラスチックでは、それぞれの機能・素性が、その素材の有用性や存在意義を示す主な基準となりますが、通常の観察ではそれを判断しづらいことも事実です。そのため、それぞれの性質や素性を明らかにし、公正に市場・消費者に明示することが大切となります。そうしたことから、次回以降で取り上げる識別表示の存在が、バイオプラスチック市場の拡大に必須となっています。

今回の連載では、そうした「基準」も提供する各種認証制度の解説を中心に、最新のバイオプラスチック市場の動向把握に重要となる方式や概念の解説もしていきたいと思います。

次回は第2回。解説する用語は「認証制度」の予定です。

猪股 勲(Isao Inomata)/ SCE・Net

東京大学工業化学修士課程修了。三菱ケミカル(株)で、石油化学関連の技術開発・事業開発、企画業務に従事。その後、日本バイオプラスチック協会に奉職。石油化学全般、バイオプラスチック、プラスチック廃棄物管理、気候変動などの環境問題に広く精通。2015年よりSCE・Net所属。ITIコンサルタント事務所チーフコンサルタント。

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