運転管理のポイントと用語を自分のモノに【排水処理を学べる!活性汚泥法の基礎知識 第3回】

2023/10/03
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ご好評いただいているChematelsの連載「排水処理を学べる!活性汚泥法の基礎知識」。第3回は、「運転管理のポイントと用語」に光を当てます。用語の一覧も用意しましたので、ぜひご活用ください。

目次

本連載で扱う項目

「水の良質化」と「汚泥の減少」のため微生物管理が重要

活性汚泥法による排水処理の目標の第一は、「透明で良質の処理水を得ること」にあります。そして第二は、「処理プロセスから廃棄される余剰汚泥量を減少させること」です。この二つを同時に満足させることが望まれます。

前回の第2回「微生物で排水浄化、そのプロセスを知る」で活性汚泥法のプロセスを紹介しました。沈殿池や曝気槽といった装置の構成は単純に見えますが、生物学的な処理方式が用いられており、複雑です。

そのためトラブル防止には、単に機械的な管理や、水素イオン濃度(pH:potential Hydrogen)などの監視だけでなく、とりわけ汚泥中の微生物の管理が重要となります。汚泥中の微生物の能力と効率を把握し維持できるシステムと、高度なスキルを持ったオペレーターと監督者による管理体制が必要になります。

運転管理のポイントと用語を押さえる

活性汚泥法において、重要な運転管理ポイントは主に次の項目になります。

・曝気槽に入れる有機物の量
⁠・槽内の水温
⁠・汚泥混合液のpH値
⁠・溶存酸素濃度
⁠・微生物が増えるために必要な栄養源
⁠・汚水と活性汚泥との混合(後述)
⁠・混合液の沈降分離(後述)
⁠・最終沈殿池からの汚泥引き抜きと曝気槽への返送 

これらの管理ポイントのうち、最重要設備である曝気槽に焦点をあて、よく使われる運転管理指標の用語を表1にまとめました。

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表1:運転管理指標の用語

同じく、よく使われる運転操作関連の用語を表2にまとめました。

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表2:運転操作関連の用語

汚水と活性汚泥を混合する

前項の「運転管理ポイント」で「後述」とした、汚水と活性汚泥の混合について説明します。

曝気には、「酸素の供給」という主な用途と、「曝気槽内の汚泥混合液の均一な混合」というもう一つの目的があります。これら用途を満たすため、エアレータという散気装置があります。一例を下図に示します。

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図1:エアレータの構造。左は一般的なタイプ。右は目詰まりなしで低圧損の高効率なタイプ
⁠(画像提供:鈴木産業)

混合液を沈降分離させる

もう一つ、前項の「運転管理ポイント」で「後述」とした、混合液の沈降分離について説明します。

処理の最終段階である沈殿池で、重力沈降により微生物を含む活性汚泥と処理水を分離し、処理水を消毒後、放流します。浮遊する粒子の直径を大きくすると、活性汚泥中の微生物群などがつくる固まりを指すフロックの沈降速度が速くなるので、沈降を促すため凝集剤を添加することもあります。

次回のテーマは「想定されるトラブルと対処法」の予定です。

鹿子島 達志(Tatsushi Kagoshima)/ SCE・Net

1949年生まれ。九州大学工学部卒。鐘淵化学工業(株)(現カネカ)他2社を経験。生産技術や調達部門にて多くの大型海外工場建設の責任者として従事。マレーシアにエンジ会社のMD(社長)として2年間駐在。化学工学会のコストエンジニアリング部会員で活動、SCE・Net会員。現在、生産技術コンサル業のイーグレテック代表。