食品乳化特許技術を応用!「金賞」の汗に強いUVケアクリーム―ジェイオーコスメティックス【化粧品産業技術展レポート2025 第2回】
2025/07/292025年5月14日から16日までパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催された「第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN)」では、相手先ブランドによる生産(OEM:Original Equipment Manufacturing)を手がけるメーカーの出展も多くありました。Chematelsによるレポート第2回では、同展の表彰企画「CITE JAPAN 2025 アワード」で技術部門の金賞を受賞した「サマープルーフTMUV」を開発したジェイオーコスメティックスにフォーカスします。
食品会社の乳化特許技術を応用し、汗に強いUVケアクリームを開発
ジェイオーコスメティックス(本社東京都大田区)は化粧品OEMの専門企業として、企画から開発、製造、薬事対応に至るまでトータルに提案しています。主な製品ラインナップには、スキンケア製品、紫外線(UV:Ultraviolet rays)ケア製品、ベースメイク製品、ポイントメイク製品などがあります。

図1:サマープルーフUV。左がミルクタイプ、右がクリームタイプ。取材翌日「CITE JAPAN 2025 アワード」の技術部門の金賞を受賞
(筆者撮影)
同社が自信を持ってアピールしていたのが「サマープルーフUV」です。肌の上にしっかりと密着するため、汗をかいても塗り直しする必要がないといいます。このような特徴を実現させたのは、意外にもハウス食品グループ本社の特許技術とのこと。風味を舌の上に長く残す「CrysFormⓇ(クリスフォーム)」という乳化技術を日焼け止めに応用したというわけです。
同社の分析によると、サマープルーフUVは肌にムラなく塗布できるだけでなく、塗布6時間後でも剥がれがほとんどなかったとのことです。一般的なUVケアクリームは汗や摩擦で流れ落ちてしまうのですが、サマープルーフUVは汗に強く、汗の上からでも塗布できることを特徴としています。

図2:サマープルーフUVの紹介ポスター
(編集部撮影)
筆者は昨年、初めて日焼け止めクリームを使ったのですが、ベタつきが気になったのが素直な感想でした。一方、サマープルーフUVのクリームタイプはベタつきが少なく、これならベタつきが苦手な人でも使いやすいという印象を持ちました。研究部の保苅瑠美さんは、「男性やお子さんなど、日焼け止めが苦手な方や、ウォータースポーツをされる方にもおすすめできます」と話します。
アワード受賞を機にさらに注目が集まる
サマープルーフUVの開発に中心的に関わってきたのが研究部の湯浅隆太さん。湯浅さんが当初、ハウス食品グループ本社からCrysForm技術を紹介されたときは、面白い技術だと感じたものの、UVケアクリームに応用するまでには困難が多かったそうです。
「CrysForm技術で乳化させたラー油を口に含めると、味が長く強く続いたので、UVケアクリームに応用することを思いつきました。しかし、試作すると、塗り終わりにカスが出たりギュッと引っかかる感覚があったりと、そのままでは使用感がよくなかったのです。その後、さまざまな工夫をしていまのサマープルーフUVの完成に至りました」(湯浅さん)
取材したのは化粧品産業技術展の2日目だったのですが、3日目にサマープルーフUVが「CITE JAPAN 2025 アワード」の技術部門の金賞を受賞することがアナウンスされました。後日お話を伺ったところ、保苅さんは、「まさか金賞を受賞するとは思ってもいませんでしたが、さまざまなデータで視覚的に効果を伝えられたのが大きかったと思っています。私の子どもも日焼け止めを嫌がるので、そういったお子さんにも広がるビジョンが見えてきてワクワクしています」と述べていました。
受賞が発表された3日目の午後からはブースが盛り上がり、特に研究者が多く訪れてきたとのことです。湯浅さんは、「来場者にサンプルを多く渡しており、かなり注目をいただいています」と話していました。
一日の終わりのご褒美となるクレンジング

図3:メルティングカーム クレンジング
(筆者撮影)
もう一つ、Chematelsが注目したジェイオーコスメティックスの製品が「メルティングカーム クレンジング」です。チューブタイプでありながらバームタイプの厚みあるテクスチャーを保ち、使い続けても軟化しないという特徴を持っています。

図4:メルティングカーム クレンジングの紹介ポスター
(編集部撮影)
クレンジングというと、一日の終わりに「しなければならない」という義務感のようなものがありますが、保苅さんは、「一日の終わりのご褒美としてクレンジングしたくなるものを目指し、香りやテクスチャーにこだわった製品です」と話します。同社が行った試験では、メルティングカームクレンジングを使うことで他のクレンジングバームより自律神経スコアがリラックス状態を示すスコアに高まったというデータも得られています。
次回は、コラーゲン製品に強みを持つ企業のインパクトある展示ブースの様子を紹介します。
島田 祥輔(しまだしょうすけ)
サイエンスライター 1982年生まれ。名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻修了。特に遺伝子に興味があり、遺伝子の研究によって医療や生活がどう変わっていくのかに注目している。また、腸内細菌検査サービス「マイキンソー」のオウンドメディア「Mykinsoラボ」の編集長を務める。

