「高付加価値タルク」と「耐久性・密着性に優れたフッ素系コート剤」を紹介【高機能素材Week2020レポート】
2020/12/03
「高機能素材Week2020レポート-株式会社スギノマシン-」に続き、今回もコロナ禍の展示会で積極的に自社サービスをPRされていた、日本タルク株式会社と株式会社野田スクリーンの2社を紹介いたします。
第1回はこちら:産業機械メーカーが生み出したバイオマスナノファイバー -株式会社スギノマシン-
従来にない高付加価値タルクで新しい可能性を提供 -日本タルク株式会社-

日本タルク株式会社は1934 年の会社創立以来「タルク」製品の専門メーカーとして、研究開発の強化、独自の製造技術開発に注力されてきた企業です。また、酸化チタン、水酸化マグネシウム、マイカ、ワラストナイトなどのタルク以外の無機フィラーも、用途・特性に応じたものを数多く取り扱っています。
タルクは一部の業界では汎用的に使用される無機薬品のため、「名前は知っているけれど、性状や用途は知らない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、技術開発部藤林直幸氏に、タルクについて、そして今後の展望について伺いました。
■そもそもタルクとは?
タルク(和名:滑石)は層状鉱物で、石の状態で採掘されます。原石は白色、ピンク色、薄緑色、灰色などの色があり、粉砕することで白色、もしくは灰色をした粉体になります。化学名は「含水珪酸マグネシウム(Mg₃Si₄O₁₀(OH)₂)」です。物理的性質は、真比重2.7、モース硬度1と無機鉱物中で最も軟らかく、耐熱性に優れ、化学的にも安定しています。
その用途は多岐に渡りますが、樹脂の充填剤、粉体塗料やゴム充填材を始め、電子部品、セラミックス、化粧品、医薬品、食品、農業分野において使用されています。
■超微粒子タルクで高付加価値製品の開発に貢献
今回の展示会での注目商品として紹介していたのが、超微粒子タルク「NANO ACE®」(ナノエース)です。
通常、タルクを微粒子化すると板状粒子形状が損なわれ、タルクの持つ本来の機能を十分に発揮することができません。そこで同社では、板状形状を維持したまま超微粒子化(サブミクロン)することで、その最大粒子径を調整することに成功させました。ナノエースD-600は平均粒子径0.6μm(レーザー回析法)と業界最小であり、従来のタルクが適用できなかった新しい用途への展開が可能となっています。また、NANO ACE®の製造棟ではエアシャワー室を導入し、徹底した品質管理を行われています。
現在は、樹脂向けとして充填剤・結晶核剤、電子材料向けとして積層板・絶縁性シートや高付加価値接着剤に採用されています。

NANO ACE®電子顕微鏡画像
■超微粒子化だけではない高付加価値タルクも
今後の展望について、日本タルク株式会社の藤林氏に伺いました。
「今回の展示会ではNANO ACE®を中心に紹介しておりますが、当社では他社にないタルク原料を用いるとともに、超微粒子化、高アスペクト比、除鉄タルクなどを多数開発・製品化し、お客さまの幅広いニーズに応えるべく活動を行っております。未知の可能性として、それぞれの特長を生かした高付加価値分野への用途開発、新規分野への展開を進めていきたいと考えています」(藤林氏)
タルクは汎用の無機薬品ではなく、今後も研究開発がすすめられていくマテリアルの1つであることが認識できますね。本レポートを機会に、タルク原料の新規採用・見直しを検討してみてはいかがでしょうか?
【お問い合わせ先】
日本タルク株式会社
耐久性・密着性に優れたフッ素系コート剤を開発 -株式会社 野田スクリーン-

株式会社 野田スクリーンは、撥水・撥油・防汚性といったフッ素の特性を生かしたコーティング剤の開発および製造、販売をされており、『かゆいところにF(フッ素)」がとどく』を合言葉に、顧客からのさまざまなニーズに対応した製品を提供する企業です。
フッ素系コート剤は、優れた機能を持っている一方、フッ素樹脂の脱落による機能低下などの課題も多いのではと認識されている方もいらっしゃると思います。同分野の最新情報を得るため、化学品事業部課長の服部伸吾氏にお話を伺いました。
■耐久性と密着性に優れた反応硬化型のコート剤
注目商品は、自社開発のフッ素添加剤ネオフルオリペールと反応硬化型塗料を組み合わせた反応硬化型フッ素系クリアコート剤(Sheildsシリーズ)です。反応硬化型コート剤は、従来の溶剤型コート剤と比較し耐久性と密着性が高く、下記のような特性を有しています。
〇耐薬品性(耐溶剤・耐アルカリ・耐サンスクリーン性)・耐候性や耐熱性に優れる。
〇接触・摩擦する部分に対する機械的強度が改善され、長期耐久性に優れる
〇金属・ガラス・プラスチックなどの様々な基材に対し優れた密着性を発揮する。
■用途や塗布基材に合わせた多彩なラインナップ
フッ素系コート剤は、看板や柵などの屋外設置物に採用されています。また、切削機やプレス機などの工場設備で採用されるケースも増えています。水性切削油にも高い耐性を持っていため、工作機械の塗装保護およびメンテナンスサイクルの延長が期待されています。室温硬化型グレードがあるので、既設設備へも適用可能な製品です。

水性切削油ミストが付着する箇所での実用評価
今後、注力していきたい分野を服部氏にお尋ねした所、このようにお答えいただきました。
「プラスチックに適したグレードもあり、自動車の内装部品の保護コート剤としておすすめしております。スイッチ類やオーディオなどの手で触れる箇所の汚れ付着や劣化を防止することで、長期間にわたる美観の維持が可能となります。近年、日焼け止めクリームやハンドクリームなどが付着した際、塗装が白化したり、膨潤して外観不良となったりする問題が起きています。その対策として、ぜひ皆さまに使用していただきたいと思っています」(服部氏)
お話を聞いていると、フッ素系コート剤が日々高度に進化し続けていることがうかがえます。過去にさまざまな理由で採用をあきめた方も、あらためて検討してみるとよいかもしれません。
【お問い合わせ先】
株式会社 野田スクリーン
