産業機械メーカーが生み出したセルロースナノファイバー -株式会社スギノマシン-【高機能素材Week2020レポート】

2020/11/19


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2020年10月7~9日、インテックス大阪で「高機能素材Week2020(材料・加工機械の総合展)」が開催され、フィルムやプラスチック、複合材、金属、セラミックスなど、製品の高付加価値化に欠かせない素材技術が一堂に介しました。コロナ禍で出展を控える企業が多い中、積極的に自社サービスをPRしたいと考える企業が集結した活気ある展示会となりました。その中で、Chematels編集部が注目した企業をご紹介いたします。

第1回となる今回ご紹介する産業機械メーカーの株式会社スギノマシンは、高圧水技術、空気圧技術、管機器技術、エネルギー市場関連の技術開発を重ね、現在では、【切る・削る・洗う・磨く・砕く・解す】の6つの『超技術』を展開しています。今回は、新規開発本部開発プロジェクトグループでセルロースナノファイバー開発に従事している小倉様にお話を伺いました。

■スギノマシン独自の技術「ウォータージェット」製法で開発した新素材「BiNFi-s(ビンフィス)」

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バイオマスナノファイバーができるまで

スギノマシンが開発した新素材「BiNFi-s(ビンフィス)」は、同社独自のウォータージェット製法により、セルロース、キチン、キトサン、シルクなどの生物由来資源をナノレベル(直径10~20nm、長さ数㎛)のサイズにほぐした超・極細繊維素材です。

低線熱膨張性、高弾性、透明性、生体適合性、抗菌性、生理機能改善効果、高強度、高アスペクト比、高比表面積、高粘性、高保形性、高親水性などの特長を持っているため、幅広い分野での活用が期待されています。

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「ウォータージェット製法」の仕組み

同社のウォータージェット製法は、水と原料のみを使用した、他にはまねのできないクリーンで画期的な方法です。パルプ化した原料を水に分散させ、最高245MPaに加圧・噴射します。このウォータージェット同士を斜向衝突させることで、原料を解し、ナノファイバーを作り出す仕組みです。

同社は機械メーカーとして80年の歴史があり、取引先は自動車、電機、航空宇宙から、化学、土木、食品、医薬品など、ありとあらゆる業界に及んでいます。機械メーカーである同社が素材開発に至った経緯を、小倉氏にお訊ねしたところ、このように答えてくださいました。

「当社の装置を使い、大きな利益を挙げている取引先がたくさんあります。我々自身も,自社の特徴ある機械を用いてビジネスができるのではないか。これが新事業へ向かうきっかけとなりました。将来性のあるニッチ産業、さらにスギノマシンのコア技術がないと作れないものを模索した結果が、セルロースナノファイバーでした」(小倉氏)

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株式会社スギノマシン新規開発本部 開発プロジェクトグループ 小倉 孝太氏

スギノマシンでは、新素材の活用を目指した研究開発も盛んに行っています。その1つが補強用フィラー(充填材)*1向けの「BiNFi-sドライパウダー(以下、BFDP)」です。樹脂と混合しやすくするため、BiNFi-sセルロースを独自技術で乾燥・粉末化に成功しています。

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「今後当社は、樹脂以外にも、塗料、電子材料、化成品や自動車部材等への応用実績を蓄積していく予定です。最終的には汎用用途でも活用可能にするため、コストメリットも含め、提案することを目指しています」(小倉氏)

セルロースナノファイバーはさまざまな分野で注目が集まっており、素材メーカー各社がしのぎを削っています。薬剤を使わず水と原料で製造できる「BiNFi-s」は、スギノマシンの優れた技術と同社が培ったノウハウがあってこそ生まれた製品です。今後の成長にも注目していきたいです。

*1:高物性や高機能、あるいはコストダウンを実現するために添加される充填材の総称で、さまざまな複合化材料の鍵となる素材。

【お問い合わせ先】

株式会社 スギノマシン

http://www.sugino.com/