変わりゆく中国の通関規則、化学品SDSなどの登記申請を万全に!【輸出入トラブルを上海駐在員が解説 後編】-PR-

2025/02/04

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「輸出入トラブルを上海駐在員が解説」を前後編でお届けしています。前編「要注意! 中国の「危険化学品」の意味は日本と違う」では、中国における「危険化学品」をしっかりと理解して対応することの大切をお伝えしました。もし、中国への輸出を予定している製品が危険化学品と判定された場合は、中国のルールにのっとった対応が必要となります。

後編では引き続き、上海に拠点を置き、危険化学品経営許可を取得している日系企業「金盛貿易」の駐在員が、危険化学品を中国で販売する際に必要な準備作業について解説します。

通関時のトラブル発生要因は3点

中国の通関で不備を指摘され、通関作業が止まってしまうなどのトラブルが発生するケースは、大別すると以下の3点です。

  1. 輸出製品が危険化学品であると指摘された
  2. 従来から使用していた中文SDS・ラベルで登記・通関作業を実施したが、不備を指摘された
  3. 許可・資格のある企業がすべき登記・申請について条件を満たさず実施し、不備を指摘された

1については、危険化学品の判定の必要性およびトラブル事例を前編で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

2と3については、以下で事例を含め、詳しく解説します。

中国国家標準のSDS・製品ラベルが必要、日本語の中文翻訳版ではダメ

2は、中国の国家標準のSDS・製品ラベルを用いなければならないと、不備を指摘されるというものです。

中国には、化学品の安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)および製品ラベルについて、作成に関する国家標準規格がそれぞれ「GB/T 17519-2013 化学品安全技术说明书编写指南」と「GB 15258-2009 化学品安全标签编写规定」としてあります。この規格に基づいて、危険化学品鑑定を経た上で作成されたSDS・製品ラベルが求められます。よって日本語だったものを中国語に翻訳したSDS・製品ラベルは通用しません。特に輸入品については中国税関がこの国家基準によりSDS・製品ラベルを確認します。

危険化学品鑑定とは、「化学品物理危険性鑑定と分類管理弁法」に基づき、国家指定の鑑定機関が化学品の危険性の分類を確定することです。大まかな手順は、国家指定の鑑定機関に持ち込んで危険性分類を確定させるというもので、確定した分類をSDSおよび製品ラベルに反映させます(図1)。

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図1:危険化学品鑑定の手順。②の「定義」「要件」「危険性分類の確定」については、前編の記事を参照のこと

混合物のように、製品として危険性が明確化されていないものはとりわけの注意が必要です。一方で、公知の情報で対応できるケースもあるため、現有のSDSを用いて、鑑定機関と「鑑定の要・不要」「非公開情報の対応」「鑑定サンプルの要否」などについて事前に協議を行った上で対応することが重要です。

登記は在中国企業が、許可申請は許可証所有企業が行わなければならない

もう一つ、3の許可・資格のある企業が登記・申請をしなければならない点にも注意が必要です。

危険化学品に該当する化学品は、試供サンプルを含め全て、輸入前に上海市などの管轄する応急管理局の登記システムで登録される必要があります。「危険化学品登記管理弁法」に基づくものです。この登記は在中国の企業でないとできません。

さらに、前編で紹介した「危険化学品目録(2015)実施指南(試行)」に基づいて危険化学品に該当する化学品を販売目的で輸入する場合は、上海市などの管轄する応急管理局に輸入販売の許可を申請する必要があります。この申請は危険化学品経営許可証*1を所持している企業に限られます。なお、上海市の場合は、混合物の許可申請の資料として国家指定の鑑定機関の鑑定報告書が必要です。

運用ルールの厳格化により今後も注意が必要

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図2:上海税関のオフィスが入居する建物

前後編にわたり中国における危険化学品の取り扱いの注意点をお伝えしました。ここまでの解説でお気づきの方もおられるかもしれませんが、トラブルの原因となっている根拠法の施行は約10年前に遡ります。中国では法律が施行された後に運用ルールが作成されていきます。そのため、前年まで問題にならなかったことが問題となってしまう事例が起こりうるのです。

上海に拠点を置く日系企業「金盛貿易」(金森産業グループ)では、上海日本商工クラブの化学品法規制分科会に参加するなど、日々変わりゆく危険化学品に関わる情報を積極的に取り入れています。危険化学品についてのお困りごとがあれば、ぜひ金盛貿易にご相談ください。

注釈

*1:危険化学品経営許可証
⁠中国で危険化学品を取り扱うために必要な証明書。「危険化学品安全生産許可証」「危険化学品安全使用許可証」「危険化学品経営許可証」のいずれかを取得する必要があります。危険化学品の販売や輸出入する場合は「危険化学品経営許可証」が該当します。これら許可証を取得するには管理責任者試験に合格しなければなりません。危険化学経営許可証を持たずに販売や輸入などの経営活動を行うと違法となり、また許可証を持たない企業から危険化学品を購入することも罰金や行政処分の対象となります。

【お問い合わせ先】

下記お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

金盛貿易(上海)有限公司

金盛貿易(上海)有限公司は、2014年10月に設立され、金森産業グループの一員として活動しています。主な業務内容は、危険化学品、一般化学品、樹脂材料、セラミック製品およびアクリル製品の輸出入です。従業員は日本人3名(そのうち1名は広東省担当)と中国人3名です。お客様への迅速かつ丁寧な対応を心掛け、質の高いサービスを提供しています。