要注意! 中国の「危険化学品」の意味は日本と違う【輸出入トラブルを上海駐在員が解説 前編】-PR-

2025/01/28

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皆さんご存じの通り、中国は世界の主要な化学品生産国および輸出入国の一つとしてその存在感を増しています。一方で、化学品の取扱量が増えるに伴い、2015年に天津港で発生した化学品爆発事故などの不幸な事故も起きています。このため、中国では化学品の取り扱いや管理が年々厳しくなっています。いまや、日本以上に厳格なルールが設けられていると言っても過言ではありません。

これを受け、日本から製品を輸出した際に中国で税関の通関ができないなどのトラブルが急増しています。そこで今回は、上海に拠点を置き、危険化学品経営許可証を取得している日系企業「金盛貿易」の駐在員が、中国における危険化学品の取り扱いの注意点やトラブル事例などについて、現地から情報を前後編でお伝えします。前編では、「危険化学品」の捉え方や、「危険化学品」として取り扱わなかったことで発生した違反事例を紹介します。

中国には中国の「危険化学品」の定義がある

中国における「危険化学品」の定義は、日本の「危険物」の定義と異なるということをなによりまず押さえておく必要があります。

中国において「危険化学品」は、「危険化学品安全管理条例」によって次のように定義されています。

「害毒、腐食、爆発、燃焼、助燃等の性質を有し、人体、施設、環境に対して危害がある猛毒化学品およびその他の化学品」

これに基づき、「危険化学品目録(2015版)実施指南(試行)」にて管理対象となる危険化学品のリストが公開され、それを元に厳格な管理が行われています。2023年5月から、中国税関は正式に、化学品の輸出入申告においてこのリストを基にした危険化学品該非判断を行うようになっています。

日本の消防法で定められている「危険物」では、例えば塗料や接着剤のような引火性液体を含む混合物であっても対象外とされることがあります。しかし、中国では、引火点が60℃以下の混合物は全て危険化学品に該当します。

輸出しようとしている化学製品が危険化学品に該当するかなどを確認する手順を、図1にまとめました。

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図1:危険化学品の確認フロー

上海港が「貿易DX」を推進、対策を強化

上海港は中国最大の危険物コンテナの輸出入通路で、輸出入量は同国総量の約50%を占めています。近年、化学工業製品分野の商品取扱量が多く、複雑で専門性も高いことから、上海税関は貿易ビッグデータ・プラットフォーム役として対策を強化しています。

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図2:上海港。化学品を含むさまざまな製品が輸出入されている

具体的には、危険化学品の申告・保存・輸送などの過程におけるリスク分析に関して、リスク予防の知能化とコントロールモデルの構築、また輸出入易制毒化工品・危険化学品の分類自動配置モデル確立などを通じ、その正確性を強化しています。実際、これら情報技術を中心に国境警備ラインが構築され、輸出入危険化学品が押収されています。

このような運用が開始されたこともあり、過去に問題にならなかった案件で同じように対応したにもかかわらず、トラブルになったという話が出てきているのです。

さかのぼっての罰金や差し止めも…輸出入での違反事例

「危険化学品」として取り扱わなかったことで発生した、最近の違反事例を紹介いたします。

  1. 上海のある企業が「アクリル系粘着剤」を一括輸入した際、危険化学品を隠すという違法行為が疑われました。上海税関は、危険化学品の要件に沿って申告されていないことを突き止め、約12万人民元の罰金を科す行政処分としました。
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  2. 東莞の企業が「アクリル樹脂塗料」を非危険化学品として申告しましたが、上海税関はこれを発見し、約30万人民元の罰金を科す行政処分としました。
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  3. 上海の企業が、「飽和非環式モノカルボン酸」を非危険化学品として、2021年から2年間輸入し、使用していました。2023年にこれが「危険化学品目録(2015)」に該当することを税関から指摘され、過去2年間分の合計約6万人民元の罰金が科せられました。
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  4. 上海から「溶媒型電子電気塗料と硬化剤」を非危険化学品として輸出しようとしていた企業が、税関の輸出前検査でこれが危険化学品に該当することが判明し、輸出を止められました。

危険化学品の判定は、専門企業へご相談を

以上、前半では、中国における「危険化学品」をしっかりと理解し、対応しなくてはいけないということをお伝えしました。

化学品の輸出入トラブルを未然に防ぐために、まずはその製品が危険化学品かどうかを確認することが求められます。これまで中国へ製品を輸出していた案件についても、中国での法律運用の強化が進む中で、本当に問題がないかを再度確認することが推奨されます。

危険化学品の判定は、専門性が高い作業でもあります。心配であれば危険化学品経営許可証を取得している経験豊富な専門企業に委託・相談することを検討されてはいかがでしょうか。上海に拠点を置き、危険化学品経営許可証を取得している金盛貿易(金森産業グループ)に、ぜひご相談ください。

後編では、危険化学品を輸出する際に必要な手続き・対応についてお伝えします。もしその輸出製品が危険化学品であった場合は、しかるべき対応を取らなければ中国の税関で荷物が止まってしまうというリスクが発生します。そうならないための具体策を解説する予定です。

【お問い合わせ先】

下記お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

金盛貿易(上海)有限公司 

金盛貿易(上海)有限公司は、2014年10月に設立され、金森産業グループの一員として活動しています。主な業務内容は、危険化学品、一般化学品、樹脂材料、セラミック製品およびアクリル製品の輸出入です。従業員は日本人3名(そのうち1名は広東省担当)と中国人3名です。お客様への迅速かつ丁寧な対応を心掛け、質の高いサービスを提供しています。