ECOCERT認証取得で「環境配慮」の姿勢アピール【化粧品開発展2021レポート】
2021/04/20
2021年1月、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第11回化粧品開発展 東京」が開催されました。「サステナブル化粧品」を主題とするセミナーの開催や、環境配慮型商材の展示など、化粧品業界の地球環境意識の高まりを感じさせる見どころもありました。その取り組みを全面にアピールしていたのが、オーガニック化粧品の委託者ブランド製品生産(OEM)などを事業とするメリードゥビューティプロダクツ(東京都新宿区)。環境配慮への意識から、フランスの有機認証団体ECOCERT(エコサート)による認証工場ライセンスを取得し、企業の特長に結びつけています。社長の津野田正弘社長に認証取得までの経緯や要点などを聞きました。
■オーガニック認証の裏側にある調合技術
化粧品業界には通称「オーガニック認証」とよばれる認証制度が各種あります。これは一般的に、自然由来原料の使用を基本としていることや、完成品の一定割合が有機(オーガニック)であることなど、認証団体が定める基準を満たしていることを認証するもの。欧米中心に各種団体が認証制度を実施しています。

図1 主なオーガニック認証制度
メリードゥビューティプロダクツは、フランスの認証団体ECOCERTによる認証工場ライセンスを2014年に取得しました。完成品の95%以上が天然由来原料であること、原料は環境配慮した工程で生成したものであること、包装資材は生分解性・リサイクル可能であることなどが取得のための基準です。
同社代表取締役の津野田正弘氏は「世界のオーガニック認証化粧品の約8割が、ECOCERT認証で占められていることから、この認証を取得することを目指しました」と経緯を話します。

メリードゥビューティプロダクツ株式会社 社長 津野田 正弘(つのだ まさひろ)氏
オーガニック認証を取得するのは、同社にとって初のこと。「最初はどうしたら認証を取れるのか、何もわからず大変でした。パリに支社があるので、現地を通じてフランス語でECOCERTとやりとりしました。知識を得るまでにも時間を要しました」(津野田氏)
要件にある、自然由来や有機の原料で製品をつくるにあたっては、とりわけ企業のもつ技術や知識が求められるといいます。「化学品を原料に使うほうが感触がよい場合も多くあります。オーガニックなどの限られた原料の組み合わせで効果を出すとなると、やはり相応の調合技術が必要です。知見をどれだけ蓄積しているかが問われます」(同)
■「安全・安心」に加わった「環境保全」の意識

図2 メリードゥビューティプロダクツの展示ブース
同社が地球環境配慮を強く意識しだしたのは2009年。日本国内ではオーガニック化粧品に対して「安全・安心」といったイメージはあったものの、「環境保全に貢献する」というイメージはまださほどなかったそうです。
「当時、フランスの人びとや企業などから受けた印象は、オーガニック認証の化粧品を購買・利用することは地球を守る活動であるという意識でした。『自分はどんなことで地球環境に貢献できるか』を考えることが習慣化されており、衝撃を受けました。高尚なテーマですが、われわれも賛同していきました」(同)
現在では、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)、とりわけ「12 つくる責任 つかう責任」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」も念頭に事業展開しているとのことです。
■認証取得へ、経験者を頼りにするという手も

図3 (上)メリードゥビューティプロダクツ茨城工場。ECOCERT認定工場<br>(下)本社OEM・ODM相談ショールーム(写真提供:メリードゥビューティプロダクツ)
会場では、同社のように環境配慮の取り組みを全面アピールする企業は見られないものの、展示品の一部に環境配慮やサステナビリティを謳う企業はありました。
環境、社会、企業統治に配慮する企業を重視・選別しておこなう投資(ESG投資)の割合は、日本でも2016年の3.4%から2018年には18.3%になるなど(国際団体GSIAの報告)、急激な伸びを見せています。今後は、環境配慮が企業活動に必須要件になるとの見方もあります。化学品を主原料としてきた化粧品業界では、環境配慮の取り組みはとりわけ重視されそうです。
「ヘア、ボディ、フェイシャルといったように、各企業とも得意分野があると思うので、そこにオーガニック製品を導入するなどして切り拓いていくのは、一つの道ではないでしょうか。また、従来と異なる柱を打ち立てるという場合は、OEM生産や認証取得支援ができる弊社のような企業を利用していただきたいと思います」(同)
環境配慮型の化粧品は、すくなくとも日本市場ではまだ黎明期。技術的課題の多さや、認証取得の煩雑さもあることでしょう。逆にいえば、そうした今だからこそサステナビリティの取り組みをアピールする好機ともいえそうです。
【参考文献】
1) オーガニック認証制度
NATRUE
https://www.natrue.org/uploads/2019/06/JP-NATRUE-Label_Requirements_V3.8.pdf
ECOCERT
http://merrydo.co.jp/wordpress/company/ecocert/
BDIH
http://www.michellebio.jp/pdf/BDIH.pdf
ICEA
USDA
https://www.natural-coco.jp/life/nogyo/2008/05/post.html
ACO
https://www.austnic.com/aboutaco/
COSMOS
2) 世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」
https://sustainablejapan.jp/2019/04/02/gsir-gsia-2018/38613
【情報提供】
メリードゥビューティプロダクツ株式会社 http://merrydo.co.jp/wordpress/
漆原 次郎(うるしはら じろう)
フリーランス記者・編集者、Chematels副編集長 神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌、経済誌、ウェブニュースなどに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)修了。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
