【Withコロナin中国 上海特派員だより】 連休に感じる日常生活と対策のメリハリ
2021/04/28

執筆:金盛貿易上海 糸賀 智行
中国・上海の金盛貿易に勤めています。この2カ月ほどの日常で感じたことなどを自由に記載いたしますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
行政による強権的なコロナ対策
中国では2021年に入って、首都・北京に隣接する河北省の中心都市・石家荘を中心に新型コロナウイルスの感染が広がり、また東北地域の吉林省でもクラスターが発生し、当該一部地域で封鎖が敢行されました。ここ上海でも1月21日、22日に計9例発症者が出て、市内の感染該当地区が封鎖され、「中リスク地区」に指定されました。
日本から中国に入国した人の隔離期間も、各地区で14日間だったのが 21日または28日間に拡大されるなど、対策はより厳しくなりました。4月下旬の現在も、入国者の隔離措置は継続されていますが、中国ではコロナの早期封じ込め対策により、ここ上海でもコロナ感染者は出ていません。
中国では、感染者が数人出ただけでも、その居住区一体が封鎖され、数十~数百万人規模でPCR検査が義務づけられます。徹底した対策ぶりが目立ちます。
1月27日に上海市長は、「上海市における今回のコロナ感染の波は、基本的に収束した」と発言しました。改めて、上海市の一連のコロナ早期封じ込めは徹底されたものであると痛感した次第です。このコロナの早期封じ込めが、IMFの世界経済見通しで、中国が主要国で唯一プラス成長推計となっている理由でしょうか。
日本の皆さんも大型連休での感染拡大が気になるかもしれません。上海市では春節を控えた1月下旬に下記のことを発表しました。
- 春節は上海で過ごすことを奨励。
- 中高リスク地区の人は、地区が低リスクに下がった後、上海に入れる。
- 中高リスク地区から上海に帰る人は、上海到着後12時間以内に該当の小区居委会へ報告。
- 高リスク地区などから上海へ来た人は、14日間隔離。
- 中リスク地区などから上海へ来た人は、14日間の社区での健康管理と2回の核酸検査(PCR検査)、などなど。
これらは、3月31日まで実施されました。
また中国政府は、春節の帰省に伴う感染拡大防止策として、1月28日から3月8日まで、省を跨ぐ移動に関しては7日以内のPCR検査陰性証明書の提示が必要との発令を出しました。春節前後は人の流入が多くなるため、これを少しでも抑制しようとする対策です。できるだけ動かず、居住地域で過ごしてくださいといったものです。ですが、ビジネス面では、他省の顧客やサプライヤーへ行きにくくなる分、影響があります。

図1 上海におけるPCR検査の風景。検査費用は120元(日本円で約2000円)。検査結果は翌日にウェブよりダウンロードできる(筆者撮影、以下も)。
多くの庶民は春節休暇も上海市内に
上海市内におけるコロナ規制下での暮らしぶりについても触れたいと思います。
まず現状、上海ではバス、地下鉄などの公共交通機関を使用する場合、マスクの着用が義務付けられています。マスクを着用していないと改札で呼び止められ、通らせてくれません。
一方、街なかでは、マスクをしていない人も結構見られます。コロナ拡散の早期抑え込みに成功している中国の実情を反映していると思います。また、手と手が触れ合うことがないキャッシュレスが浸透している点は、ある意味、自然にコロナ対策にもなっているのかなと感じます。
今年の春節休暇もそうでしたが、多くの日系企業で「日本へ一時帰国ができない」「中国へ渡航できない」という状況がとても長く続いています。
また、この春節では、海外旅行はもとより上海市外への外出にも自粛要請が出ていたため、ずっと上海市内で過ごす人たちも多く見られました。政府により「居住地で年を越す」ことが推奨され、帰省する人が減るいっぽうで、上海市内の観光地や娯楽場所などへの人出は多くなった状況です。
中国商務局によると、映画館は、妻夫木聡さんや三浦友和さんらも出演している「唐人街探案3」などのヒット作の影響もあり、興行収入は春節期間中だけで75 億元(約1200 億円)を超え、チケット販売総数は1.53 億枚になったようです。

図2 春節で賑わう上海市内の豫園地区。密がすごい!
現在の庶民の暮らしぶりは至って普通であり、外出規制などもありません。現在の日本のコロナ禍よりもいち早くコロナ前の暮らしに戻りつつあるのが現状です。飲食店などの時短営業もなく、上海では「魔都」の呼び名にふさわしい「眠らない街」の雰囲気が漂っています。
ただし、オフィスビルや大型ショッピングモールなどに入る際は、入口でマスク着用が必須です。また、多くのところで検温や、携帯の健康カードによるチェックを行ってもいます。
基本的な防疫体制を敷きながら、普段通りの生活ができている状況です。
