【開催直前】マテリアル革新の最前線。「高機能素材 Week 2026 [大阪]」の注目技術を先取り解説

2026/05/08

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製造業の未来を左右する「素材」の祭典、「高機能素材 Week 2026 [大阪]」が5月13~15日にインテックス大阪で開催されます。脱炭素(GX)とデジタル・トランスフォーメーション(DX)の達成が不可欠な現在の産業界において、会場では次世代の基盤となるマテリアルが数多く披露される予定です 。本記事では開幕に先立ち、編集部が注目する花王、大阪ガスケミカルの2社によるソリューションをピックアップしました 。両社が提案するのは、従来のバイオ由来素材が抱えていた品質の不安定さや物性の限界といった具体的な課題に対し、独自の技術アプローチで応える現実的な解決策です。単なる環境配慮にとどまらず、産業用材料としての実用性をいかに高めているかという視点から、日本のものづくりの現在地を象徴する2つの技術を詳しくご紹介します。持続可能な社会への移行を、素材の側面から支える最新の動向をご覧ください。

高純度バイオ没食子酸による機能性材料の環境対応
⁠(花王株式会社 / ブース番号:サステナブルマテリアル展 K17-16)

抗酸化剤として幅広く利用される多置換芳香族カルボン酸である没食子酸は、従来、植物抽出による天然物に依存しており、供給安定性や純度のばらつきが大きな技術的課題となっていました。今回、花王が提示する「バイオ没食子酸 GA-100 BIO」は、独自の微生物発酵技術を用いることで、バイオマス資源から高純度な没食子酸を安定生産するプロセスを構築しています。天然由来品で見られた不純物混入を抑制し、安定した高品質を実現した点は、まさに画期的といえるでしょう。また、植物抽出のような季節変動を受けず、持続可能なサプライチェーンを確保できる点も大きな強みです。高機能性とカーボンニュートラルを両立させる本素材は、防錆、樹脂添加剤、樹脂モノマー原料、電子材料、接着などの分野で、グリーンケミストリーの実装を加速させる可能性を秘めています。

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画像提供:花王株式会社

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柔軟系ポリ乳酸改質樹脂により、バイオプラスチックの可能性がさらに広がる
⁠(大阪ガスケミカル株式会社 / ブース番号:サステナブルマテリアル展K16-26)

脱炭素社会に向け、ポリ乳酸(PLA)の普及には大きな期待が寄せられていますが、硬く脆い物性と成形性の低さが普及の障壁となってきました。大阪ガスケミカルが展開する改質技術は、高いバイオマス度を維持しつつ、優れた柔軟性と成形性を付与することに成功しています。これにより、インフレーション成形や押出成形において汎用樹脂に近い柔軟なハンドリングを可能にしました。衝撃強度や引裂強度、シール特性、崩壊性も改善されており、石油由来樹脂の配合を抑えつつ実用的な物性を確保できるため、包装材や日用雑貨へのPLA適用を現実化する、極めて合理的な解決策といえます。

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画像提供:大阪ガスケミカル株式会社

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素材の進化が「不可能」を「可能」に変える瞬間に立ち会う

今回の「高機能素材 Week 2026 [大阪]」で提示される技術に共通しているのは、環境性能の向上と物理特性の追求を両立させている点です 。バイオ由来でありながら電子材料レベルの純度を実現する技術や、従来の手法では困難だった柔軟性を付与するアプローチは、今後の製造業における競争力を高める要素となるでしょう 。素材という上流工程の変化は、最終製品の性能や製造プロセスそのものに確実な影響を及ぼします 。今回取り上げた2社の事例は、機能性を犠牲にすることなく環境負荷を低減できる可能性を具体的に示しており、多くの開発者にとって実務的なヒントとなるはずです。会場では、今回ご紹介した技術のデモンストレーションや詳細な解説も予定されています 。新素材が社会に実装されるための道筋を、ぜひ現地の展示を通じて確かめてみてください。素材の進化が、次の製品開発や事業戦略における新たな選択肢となることを期待しています。

Chematels編集部

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